2022-07-14
異業種参入をご検討中の方から訪問看護と訪問介護の違いについて質問を頂くことが良くあります。 そこで今回はそのちがいについて簡単にご説明します。 確かに訪問看護と訪問介護、「看」と「介」の一文字違いなので似ていますが、提供するサービスは大きく異なります。
まず訪問介護(ほうもんかいご)ですが、介護福祉士などの介護の専門資格を保持するスタッフが要介護状態にある高齢者宅を訪問し、オムツ交換や着替え、掃除や洗濯、調理といった日常生活を送るための必要な支援を提供します。1訪問あたり2千円から3千円ほどの介護報酬と呼ばれる報酬を自治体(保険者)から国民健康保険団体連合会経由で受け取ります。顧客はケアマネージャー(介護支援専門員)と呼ばれるコーディネーターから紹介を受けます。ケアマネージャーは利用者一人一人に担当がつき、ケアプランと呼ばれる介護計画に基づき、必要な訪問介護サービスを手配します。
一方訪問看護(ほうもんかんご)は医療の国家資格である看護師の資格を保持する者(准看護師も可)またはリハビリ職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が主治医の指示に基づき、注射やカテーテル管理、床ずれ処置や健康管理、リハビリなどの医療行為、末期がんの患者等のターミナルケアなどを行う医療サービスです。多くが在宅医療を行う医師と共に活動し、患者は病院と変わらない医療サービスを自宅で受けることも可能です。訪問介護のように高齢者だけを対象とするのではなく、あらかじめ定められた疾患に該当する患者は誰でも利用対象となります。報酬は1訪問あたり8千円から1万1千円ほどの診療報酬、もしくは介護報酬を受け取ります。顧客は訪問介護と同様ケアマネージャーからの紹介を受けつつ、退院を予定している病院や、地域で活動中の在宅医からの紹介があります。
このように訪問介護は『介護』、訪問看護は『看護(医療)』と違いがいくつかあります。訪問看護は介護サービスの中で唯一介護保険と医療保険が提要されるサービスです。 また訪問看護は異業種が参入しやすい医療サービスであり、地域社会のニーズも貢献度も高いビジネスです。